遡ること1時間程。


天気の良い日曜日、ごく普通のどこにでもいるような高校二年生17歳の咲耶は、外に出ることもなく家の中で暇を持て余していた。



それを見かねた母親が言う。


「暇なら屋根裏の掃除でもしてちょうだい」



咲耶は特にそれを断る理由も無かったので、「はーい…」と一つ返事で了承した。



屋根裏部屋には、今はもう亡くなっている咲耶の祖母が残していった陶器や茶道具、絵画などの骨董品たちが大して整理もされずに置かれているのだ。



屋根裏へ続く細い階段を登ってから扉を開けると、すぐに猛烈な埃っぽさを感じ、咳込む。


部屋を見回すと様々なところに大量の骨董品が積まれていた。


(掃除って言っても、どこから手をつけたらいいんだろう…。)



元々ここに置かれている物は全て、祖母と祖父が住む家へ置いていた。

しかし去年祖父がその家を売り払い、ここへ越してくることになったのでその際とりあえずここに置こうということになったのだ。