ケータイ小説 野いちご

フェンス~越えてはいけない境界線~

第五章 携帯

360度見回しても、亮は見当たらない。


「やっと4人揃って、車に向かえると思ったのに……」


「今度は、亮かよ……」


今野君は力が抜けたように、呟きながら頭を抱えて座りこむ。


僕も絶望感でいっぱいになり、呆然と立ち尽くしていた。


僕と今野君が絶望感でいっぱいになっている間も、中田は眠りから覚めない。


5分くらい何も喋らず、ただ時間だけが過ぎていった。


「座ってる場合じゃないよな……亮を探さんと」

僕は立ち上がって今野君に話しかける。


「中田はどうする?
ここで寝かしとくか?」


「いや、今度は俺がおんぶするわ!」

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