小鳥のさえずりが聞こえた。


ゆっくりと目を開けると、春毘と俺の寝室の天井が見えた。

右を向くと、寝ている春毘の姿があった。


起き上がって見ると、以前より調子が良くなっていた。



「愛与、起きたのか」


「うん」



春毘も起き上がり、俺のオデコを触ってきた。



「下がった見たみたいだな」


「えっ」


「覚えてないのか?」


「何を?」



春毘は、俺に触れていた手を離した。



「泣いたあと、結構高い熱出したから、病院連れてたりして、二日間も寝てたんだぞ」


「えっ、そうだったんだ」


「まぁ、元気になってよかったな」


「うん」



頭を撫でられた。
大きくて温かい手、落ち着く。

頭をなで終わると――。



「愛与、意地になってて、お前の話し聞かなくて、悪かったな」


「いや、俺の方が春毘を傷つけたから、
謝らなくちゃいけないのは俺の方で……」


「俺の中では、けりついたからいいんだよ」


「どういうこと?」



春毘は、頭をかきながら、次の言葉を考えている様子だった。



「まぁ、いくらなんでも、殴るのは良くなかったと思って、あいつと話したんだよ」


「あいつって、命のこと」


「まぁな」