「絶対やめた方がいいよ!」





うんうん、そうだよね。





「もう、関わらない方がいいんじゃない?」





確かに、ただ利用されてるだけな気もするし……





「えー、いいじゃん。


それって、愛果に気があるからかもしれないし〜♪」





……え!?





私は思わず、スマホを凝視した。





入学してから一週間……私と夏木くんの不思議な関係は、未だに続いていた。





このままでいいのか分からなくなった私は、中学時代の友達に頼った。





『俺、女子に興味無いから』





あんなこと言ってた時点で、私に気があるとかは絶対にない。





この間肩をもんだ時もそうだけど、振り向いた夏木くんとの距離に、ドキドキしたのは私だけだった。





きっと夏木くんには、女子と男子の関わりに差がない。





好きな人自体、出来たことないんだろうなあ…





「なーりかっ」





「ひゃ」





「ぷっ、愛果ってさー。


面白い反応してくれるよね〜♪」





「……もー、紗奈っ」





背後から顔を覗かせて、満足気に笑う紗奈を見ると、気が抜けて一緒に笑ってしまった。