「あー、眠れなかった。」
 僕は目をゴシゴシと擦りながらメグと登校中。
「翔君、寝癖がついてるよ。」
 メグがスクールバッグから小さなポーチを取り出して、中から折りたたみのくしを出した。
「最近、どうしたの?いつも眠そうじゃない。それに、毎日寝癖つけて。」
「なんだか、眠れないんだよ。」
「どうして?」
「なんかさ、最近、耳鳴りがして。それに、知らない女子の声が耳元でするんだよ。」
「え?なにそれ。」