目を開けると、私はどこかの部屋にいた。


キョロキョロと辺りを見渡すと、どうやらここは寝室らしい。



……あ、そうだ。


アイツが現れて、黒龍の三人といろいろあって、それで、午前三時近くになってアイツが無理やりこの部屋に入って寝たんだ。



私とアイツ――もう一人の“私”。


これは、お父さんでさえ知らない、私だけの秘密だった。


まさか黒龍にバレてしまうなんて……。


いつも、他の人にバレないようにうまくやっていたから、こんなことは初めてだ。



私が眠ってアイツが目覚めている間の記憶は、ちゃんと覚えている。


アイツが姿を見せて、黒龍の三人とどんな会話をして、どう過ごしていたのかも。



だから、余計に怖い。



何か言われるのかな。何かされるのかな。


アイツが随分と挑発的な態度を取ってしまったから、怒ってるかもしれない。



嫌な予感しかしなかったが、私は恐る恐る寝室から出た。