古びた時計の真夜中零時の知らせ。


ゴーン、ゴーン――とこの部屋に鐘の音が響く。



二分で家に帰るなんて無理だったと、小学生でもわかることに今更気づいた。




真夜中零時。それは、私が私じゃなくなる時間。


午前三時まで、“私”は消える。


姿を見せるのは、アイツ。


私以外の者には凶暴で乱暴で、“私”とは違って強くて、少しイカれてる。


そんな、アイツ。