しばらく考えたんだけどやっぱり……。

あの時、アーラを拒否するべきじゃなかったのかな。



アーラがいない部屋で一夜を過ごし、後悔の念が沸いてきた。



もしかしたら、距離を縮められるチャンスだったんじゃないかって。

仲良くなるって決めたんだったら、拒否するべきじゃなかったのかなって。



気持ちとかそんなことよりも、彼を受け入れるべきだったんじゃないか。

悶々として目を瞑ることさえ出来ないほどだった。



『ただ契約を果たすだけじゃつまらないだろ?たまにはこういった遊びも挟まなきゃ、俺もやってらんねーんだよ』



あの時アーラはそう言っていた。

アーラが言う『遊び』っていうのはきっと、キス以上のことなんだろう……。



「やっ……やっぱりそんなの無理っ……!」



想像するだけで身体が熱くなってきた。



「奏ちゃん、おはよう」

「ぅわぁっ!つ、次咲くん!いきなり肩を叩かないでよぉっ」



突如として肩を叩かれ、驚いて振り返ると笑顔の次咲くんが立っていた。