い、言ったぞ!

ついに言ってしまったぁぁぁあ!



あぁぁ、反応が怖い。

恐怖で直視出来なくなってしまって、視線を俯けた。



「ほう……俺に叶えて欲しい願いでもあるのか?」

「あっ……うん。そう!そう、なんだ……」



ちらりとアーラに目を向けると、ニンマリと笑みを浮かべていた。



てっきり怒られるとばかり思っていたから、その反応は意外だったけど……。

逆にそれが怖い。

笑顔の裏に何かを隠していそうで。



「へぇ〜。お前もついに欲に駆られたかぁ」

「いや……。そんなんじゃないんだけど」

「願いを叶えて欲しいんだろ?それを欲と言うんだ」



アーラは漫画を放り投げ、ベッドから軽快に降りた。

そして不敵な笑みを含ませながら、一歩一歩ゆっくり寄ってくる。



「言ってみろ」



アーラが近付く度に胸の鼓動が早くなる。



「あぁ……はいっ」



怖い……怖すぎるよ。

でもここまでやったなら言わなきゃ。



私の願いはただ一つ。

死にたくない。

貴方に殺されたくない。



震える声でそう言った。