episode

私はいつもより早く起きた。
総司はまだ寝ている。

スースーと寝息を立て可愛い顔して寝ている。

すごく愛しくなった。母性本能というやつがくすぐられたんだろう。

なんかイタズラしたくなって、総司の鼻をつまむ。

そうすると、顔をゆがめてんんっとうなる。 手を放してやると、顔が緩みまた気持ち良さそうに寝る

あははっ楽しいなこれ。

満足した私は朝ごはん、否朝餉を作りに台所へむかった。

途中土方さんの部屋の前を通った。
少し障子が開いていたので、覗いてみると、机に突っ伏して寝ている

お疲れだなー土方さん…

鬼でも風邪はひくだろうと、静かに部屋に入り、そばに敷いてあった布団のをかけてやった。

ちょっと書類を覗いてみると、ミミズみたいな字がいっぱいで読めない。

なんとか解読しようとしたけど、全く読めず諦めた私は、土方さんの頭に手を置いて、たまにはしっかり寝てくださいね。 と言い部屋を後にした。

土方side

………寝ていたか。
意識がかすかに戻っていたが、起き上がるのがおっくうでしばらくその格好でいると、肩に何かをかけられた。

ん?誰だ?

怪しい気配ならすぐ感じるが、そんなのは感じられずむしろ心地いい気配がしたので黙っていた。

しばらくその気配が俺の後ろにいると、頭に手が置かれ、

たまにはしっかり寝てくださいね

という言葉を残して部屋を出て行くのがわかった。

この声は桜だ。 ずいぶん起きるのが早いな。
頭に置かれた手の感触がまだ残っている。

むくっと、上体を起こし自分の頭に手をやる。
すごく安心する手だった。

なんか元気が出てきたので、それからは残りの書類の処理をいつも以上にやることができた。

ある程度終わらせ一息ついていると、襖がスパーンとあいた。

ひじかたさん!!

総司ぃ!おまえはいつになったら部屋の入り方を覚えるんだ!!!

それより土方さん!桜がいないんです!

ああ?

朝起きたら隣にいなくてっ

あいつなら半刻くらい前俺の部屋に来た後、朝餉を作りにいったぞ?

それ、ほんとですか?

ああ。てか総司どこも確認しないまま俺の部屋くんじゃねえよ

土方さん、桜と何話したんですか?!

そこかよ!

何を気にしてるんだこいつは
そろそろ朝餉の時間なので、沖田と一緒に向かいながら話す。

別に何も話してねえよ。
なんとなく机に突っ伏してたら、いつの間にか桜が入ってきて布団かけて出てったんだよ。

本当にそれだけですか?

それだけだよ。まったく。お前も心配性だな。

土方さんだからですよこのタラシが!

タラシいうんじゃねぇえ!

その勢いで、食堂の襖をスパーンと開けてしまった。

すでに何人かいた奴らは、その叫びを聞いてぽかんとしている。

後ろでは沖田が笑っている。

あ、土方さん、総司、おはようございます! もう準備は出来てますよ!

ああ…

お膳を運びながら桜が言う。

席に行こうとすると、桜がすれ違いざまに、土方さんってタラシなんですねっ笑 とボソッと呟いてきた。

だからタラシじゃねえよ!!

俺の声だけがひびく。

はたからみたら、俺が突然桜に怒鳴ったかのようだ。

すると平助が、

土方さんっ!いくら沖田さんに本当のことをいわれたからって突然桜を怒鳴るのは理不尽っすよ!

あっはっはっ!!土方さん、桜のこと恐がらせないでくださいよお?

ばっ、、これは違うっなぁ?桜

といって桜を見ると、

ひ、土方さんっ。ひどいですっ私、何もしてないのにっうっ…

と、俯いている

はああ??!お前が先に喧嘩売ってきたんだろ!!

トシ。女の子を泣かせるなんて酷いぞ。 反省して大人しく席につけ。

近藤さんが言った。

くそっ

大人しく席につくと、桜と目があった。
桜は、ニヤニヤしている。

こいつっ。 それに気づいたのか総司も、カタカタ震えている。

よし!こいつらぶっ殺す。



近藤さんが声をかけてようやく朝餉の時間になった。


うふふっ土方さんってやっぱりおもしろいなぁ
なんでこんな弄りがいがあるんだろ。
上機嫌でご飯を食べてると隣の総司が、

ねえねえ桜。土方さんに何したの?

と、聞いてきた。

私はニマーっと笑い、

何もしてませんよ?ただ、すれ違いざまに、土方さんってタラシなんですねっ笑 って言っただけです。

あはははは!!!それでアレか!桜最高、

うふふっありがとうございますっ

今度は隣の平助が話しかけてきた。

なあ桜!これ桜が作ったんだろ?!
すごいうまいな!!

やーん平助ありがとう! 女の子としては料理褒められるとかなり嬉しい

ちょっと平助えそれ今僕が言おうとしたんだけどー

おっ沖田さんっ!ふふふこれは早いもの勝ちっすよ!

ちぇっ…

総司は不満そう、

楽しいな、