ケータイ小説 野いちご

新撰組と女子高生のいろいろな話。

新撰組が現代にタイムスリップした話
タイムスリップ体質3

もぐもぐ

遠くで男達の楽しそうな笑い声が聞こえる

その音を背中に浴びながら、縁側で一人小さなおにぎりを食べる8つほどの少年

その眼は力強く前を見据え、背筋は伸ばされていた。

まるで、寂しくなんかないと言っているかのように

桜side

うーん。今日はどの時代にしようかな〜

明日は土曜日だし、2日くらいならイケる。

夜、晩御飯を済ませ、お風呂から上がった私は机に向かい、歴史の教科書を開いた。

赤に三本の白いラインが入ったジャージの下に、黒のTシャツと、このジャージとセットのハーパンを着ている。

チャックを上まで上げているので口元が少し隠れていた。

そしてその肩には白いショルダーバック。

右下に目玉の缶バッチを二つつけ、その下にはヒゲのバッチが付けている。

その中にお徳用の一口チョコを一袋と、麦茶を入れた水筒に、お弁当。

他にはカメラとその替えの電池をポーチに入れ、おもちゃの銃と沢山のBB弾を入れた。

準備は万端。

私は教科書をペラペラめくり、あるページを開く。

そこには幕末の文字。

そのページには、大政奉還や、戊辰戦争についてが書かれている。

一通り目を通すと、右下の小さな豆知識のコーナーに目が止まった。

新撰組…

おっ?これ習ったことない

幕末はすでに社会でやってはいたが、この新撰組というのは聞いたことがない。

強いて言えば漫画やゲームでちょこっと聞いたことがある程度。

脇役的ポジションなのかな?

なのに、漫画やゲームになるってすごいよね…

私は新撰組に興味を持ち始めた。

よし、決めた。

今日は幕末だ!!

私は意識を集中させ、目を閉じる。

スゥ…

暗闇の中で何かに引っ張られる感覚

その後意識はなくなり、部屋には幕末が開かれた教科書だけが残った。


…………ばっ

「いたたた…

少し痛む頭を抑え顔を上げる。

「どこについたかな?

そこは夜の神社だったが、満月が地上を照らしているため、少し慣れれば動くのに支障はなさそうだ。

「でも油断はしちゃダメだ。今は動かないでおこう

私はとりあえず夜が明けるのを待つため、境内の下に入り込み、座った。

ふぁあ〜…

大きなあくびを一つして、私は眠りについた。


チュンチュン

ぱち

スズメの声と太陽の光に起こされ、スッキリと目覚める。

お母さんに叩き起こされるより何倍もいいよ…

私は境内の下から這い出て、階段にすわる。

よく見たらここ、すごく綺麗なトコだなぁ

満開の桜に囲まれ、私はショルダーバックから出したチョコを3つほど食べる。

お弁当を食べるにはまだお腹が空いていない。

私は神社を後にし、適当に街をぶらつく事にした。

「いらっしゃい!

「まいどー!!

「お嬢さん!安くしとくよっ!

歩いていると家が建ち並ぶ商店街のようなとこへついた。

皆生き生きとしていて活気がある。

時代と場所の特定と、新撰組の情報を得るため、聞き込みを始めることにした。

キョロキョロと見回すと、町の人の視線が私に集まっていることに気づいた。

この格好のせいだよねぇ…

少し居心地の悪さを感じつつも、堂々と歩く。

すると、少し先の方で怒鳴り声が聞こえた。

「オラァ!!テメェのせいで俺の着物が汚れたじゃねえか!! どうしてくれんだよ!!

「す、すみません!本当に申し訳ありませんっ!

ほほう。悪い男に絡まれているか弱い女子って感じ?

とりあえず同じ女子としてあの子を助けなければ。

< 32/ 73 >