「これ、ください」


ホワイトゴールドのネックレスに、薄いグリーンのペリドットを使用した、四つ葉のクローバーが付いたネックレスを指さした彼は、少し照れくさそうに、俯いたまま目線だけを上げてそう言った。

『プレゼントですか?』

「はい」

高校生くらいの、細身のスラっと背の高い男の子。
薄茶色の長めの前髪から、切れ長の目がのぞく。

『赤とグリーンの、どちらでラッピングしますか?』

考え込む彼。

『彼女・・に、プレゼント?』

「まだ、彼女じゃ、ないんだけど・・」

『それじゃ、うまくいくように願いをこめて、特別に。』

私は、去年のバレンタインデーの時の残りの包装紙があることを思い出した。
金色のラッピングペーパーに、細長いネックレスの箱を包み込む。
ショップの名前が入った赤いシールを貼って出来上がり。

うん。我ながら、上出来。