ケータイ小説 野いちご

好きなんだけど!

03_早く大人に

「図書室ってどこだっけ」

「お前ほんとにここの3年?」

「間違えた。卒アルって図書室にあったっけって訊きたかったの」

「だいぶ間違えたな」



早く行きたくてそわそわ足踏みする私を、靖人が購買のパンを食べながら怪訝そうに見る。



「でも質問自体はいいとこ突いてる。実は図書室にはない」

「なんと!」

「卒アルがあるのは、第二資料室だ」

「出るって噂のとこじゃん…」

「ちなみになんで俺が知ってるかというと、卒アル委員だからだ」

「自分が写りそびれるっていうの、あるあるだよね」



今度の野球の試合のとき、カメラを預かって、本人も含め、いろいろ撮っておいてあげよう。



「第二資料室って、それこそどこだっけ」

「鍵がいるから、連れてってやるよ、なにが見たいんだ?」



えーっと。

目をそらすと、ふんと鼻で笑われる。



「なんつって、どうせ"健吾くん"絡みだろ。顔見りゃわかる」

「さすが靖人、私の理解者」

「嫌味だからな?」

「私もだよ?」



チッと舌打ちして、靖人は鍵を持っているという卒アル委員長の教室へ向かった。



「う、うおお…」

「吠えんな」

「かわいい」



第二資料室は、埃だらけで日差しも入らなくて、空気も悪くて散らかっているという最悪な部屋だった。

そんな中、アルバムの中の健吾くんは、まばゆいばかりだ。

制服着てるよ…。

思ったほど今と差がなくて、すぐ見つかった。



「この頃のほうが、やんちゃっぽいなあ」

「今はそれなりに、ビジネスマンに見えるもんな」

「見えるんじゃなくて、ビジネスマンなの」

「ロリコンのな」



本気で当たればいいと思って繰り出したパンチは、顔の前で苦もなくキャッチされてしまった。

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