【大地side】



「ここが俺らの部屋か~!」



俺がルームキーで部屋の鍵を開けると、一番乗りで入っていったのはタケルだった。


部屋は、8畳ほどの和室で、部屋の真ん中にはローテーブルと座椅子が置かれていた。


窓の外はもう真っ暗で何も見えない。


俺たちは荷物を置くと、とりあえず私服に着替えることにした。



「それにしても、愛美ちゃんのさっきの態度、意味わかんなくない?俺はずっと愛美ちゃんと一緒にいたけど、具合が悪そうな素振りなんか見せてなかったし、めっちゃテンション高かったのに……」


「連絡もなしに先に帰ったのには、なにか他に理由があのかもしれないし、憶測で話してもしかたないから、本人が来てから聞こうぜ」



困惑を隠せないタケルに、要がそう言った。



「そうだよな、その件はあとでじっくり愛美ちゃんに聞くとして。今はおまえらの話、聞かせてもらおうじゃんか」



笑みを浮かべながら、俺と要を交互に見てくるタケル。



「おい。まさか、せっかく俺がおまえらの恋のために気をきかせてやったっていうのに、なんの進展もなかったとか言うんじゃねーだろうな?」