寒さにも慣れ、雪が降り積もる日が増えてきた12月下旬。

児童館で働く清良君の姿も最近では見慣れるようになり、清良君にずっとひっついていた子ども達も清良君の様子を見ながら代わる代わる遊べるようになった。

清良君は、「俺、なんだか悪いことしたのかな?最近子ども達が寄ってこない」なんて言ってたけれど、決してそういうわけじゃなく、ブームが去ったというか落ち着いたのだ。

清良君を取り合う無駄な争いを、子ども達自身も分かってタイミングを見計らって声をかけるようになった。

つまり、子ども達は成長したのだ。


溶けた雪解け水でぐちゃぐちゃになった児童館のグラウンド。

外で遊べない子ども達が、ホールの中でギャーギャー叫びながら走り回っている中、清良君が弾くピアノの周りにはしっとりとした雰囲気で女子たちが集まっていた。

そんな場所からちょっと離れた場所で、私はチラシを細く丸めてすっごく固い剣を作っている。