「あけましておめでとうございます!」



児童館の年末年始休みの最終日に開かれた新年会に、風呂敷に包まれた一升瓶を抱えながら笑顔で飛び込んで来た清良君の姿に、私の口はあんぐりと空いてしまった。



「清良先生間に合った!セーフ!」



千夏ちゃんは食べかけの焼き鳥を口にくわえながら、野球の審判のように手を横に広げた。



「セーフって……なんで清良君が来るの?」



「メールで新年会の日時と場所送ったら、うちの職員だったら誰でも来るじゃないですか?バイトだとしても仲間に変わりはないですよ」



隣に座っていた千夏ちゃんは、「先輩何言ってるんですか?」と首をひねった。



「だって清良君、東京に帰るって……」



「よくある実家への帰省ですよ?」



そう言って千夏ちゃんと一緒に首をひねる清良君は、空いている端っこの座布団に座り、「地元のお酒です、どうぞ」と言って、職員のみなさんに持ってきた日本酒を振る舞い始めた。


そんな清良君を横目に私は、目の前の樽ハイをゴクゴク飲みながら考えていた。