「神崎先生の机っていつもこんなに汚いんですか?」


「あらら、はっきり言われちゃった」


参ったなー、と続ける神崎先生。


「そら言われますやん」


「でもその香水の置いてあるところは綺麗ですよね。

その香水って何かあるんですか?」


シンプルなガラス瓶に透き通った薄紫色の液体が入っている。


神那先生はシャワーからまだ帰って来ていない。


「あー、これね。

これは神那ちゃんから貰ったの」


頬をだらしなく緩め、ガラス瓶を撫でながら話す神崎先生。


なんだか嬉しそうだ。


「え、神那先生からですか?」


想像出来ない。


「神那さんが認めてくれた証なんやで。

ほら、俺も持っとるし」


ケースを親指と人差し指で挟んで見せてくれる藤代先生。


認めてくれた証…?


それってどういうことなんだろう。