しょうねんに手を引かれ、しょうじょは高い塔を出て みんなの輪へ行きました。




それからしょうじょは、ほかの子ともおはなしができるようになりました。

今日もたくさんの子たちがしょうじょにおはなしを聞きに来ます。







あの本の部屋は、もう誰もいないのでしょうか?

いいえ。
しょうじょがあの部屋にいない日は1日もありません。

今ではたくさんの子たちも来ています。


シンと静まりかえっていたあの部屋は、ないしょ話のようにあまいわくわくした空気に満ちています。



しょうじょは毎日、本の部屋を訪れます。

そしてあのしょうねんと、本の話やいろいろなことを話すのです。



泣きそうな瞳をしていたしょうじょは、

本と大切な人につつまれて
しあわせに笑っていました。