日々は何事もなかったかのように過ぎて行った。

それは同時に、あたしと『アクア製薬株式会社』との政略結婚が進められていると言うことでもあった。

あたしは確かに、修哉さんと一緒に過ごした。

両思いにだってなったのに…だけど、両親を始めとする周りの反応は違うものばかりだった。

「夢でも見たんじゃないか?」
と、お父さん。

「あなたはいい子に過ごしてたわよ」
と、お母さん。

あたしを3日間だけ泊めてくれた友人だって、知らない何かの間違いじゃないかの一点張りだった。

「夢な訳がないじゃない…」

だけど、確証を得るものは何もない。

アドレスも消されているから、修哉さんに連絡したくてもできない。

「修哉さん…」

あなたと過ごしたこの3ヶ月間を、夢物語で終わりたくなんかないよ…。