そんな年末を過ごした後、
彼と私の距離感は特に変わらなくて、
私は仕事と家と、
それから少しずつ反抗期を迎えつつある
隼大と、喧嘩したり、仲直りしたりして、
毎日を送っていた。

最初心配していた、
麻生先生と隼大の関係も、
宮坂先生のこともあってか、
まあ、そんなにもめることもなくて、
何とか無事卒業式を迎えられると思ったある日。

隼大が友達と喧嘩をして、
友達に怪我をさせたと呼び出しがあった。

病院には事情を話して、
ちょうどその相手の子が、
病院に連れてこられたので、
とりあえず、その症状を聞くと、
鉛筆を腕に刺したということで、
事情を確認するために、私も学校に向かった。

学校では、
うなだれたようにも、ふてくされたようにも
見える隼大と、
それから困った顔をした麻生先生と、教頭先生がいて、
その二人に会釈をして、事情をうかがうと、

授業の後の清掃時間に、
隼大と相手の男の子と言い争いが始まったらしく、
そのうち、どちらかが鉛筆を持って、
もみ合っているうちに
腕に鉛筆が刺さったと言うことらしく、

相手の子の話によれば、
隼大がその子に鉛筆を刺したという話だった。

私は隼大の顔をじっと見て、
ゆっくりと深呼吸をする。