__ カンナ side





午前2時。



店の客がはけた頃、私たちの仕事が終わる。


私は簡素な黒いドレープドレスに着替え直し、

今日も沢山の赤い花束を抱えて、カウンターに座った。

「カンナ、今日も良かったよ」

「ありがとう」


マスターに小さくお礼をいい、アレキサンダーを頼む。



「疲れてるじゃないか。ここで寝るなよ」



マスターは苦笑しながら、カクテルを作る準備を始めた。


「その時はマスター、連れて帰って」

「バカなこというな」

「あら、私は本気よ?」

「それでもだ。」


私はフフッと笑うと、そばで掃除をしているアズを見つけた。


「あら、アズ。まだ働いていたの。

明日学校じゃないの?」