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ナレーション アズ side
「…寝ちまった」
だから言ったのに、とマスターはボヤく。
カンナの寝顔はまだ幼くみえた。
先ほど、イタズラ心で頬をつねった感触がまだ残っている。
「どうするんですか?」
アズは足を組み直した。
「このままで放っておけねぇから、
俺の部屋のベットか、こいつの家に送り届けるかだな」
「カンナの家って」
「ここから車で30分ぐらいのところだ」
アズは、少し考えて
「俺が送りましょうか?」
ときいた。
「いや、お前も酒入ってるから飲酒運転に…ならねぇな」
グラスのなかのウイスキーが一滴も減っていないのをみて、マスターは苦笑した。
「こうなるのをわかってたか?」
「いえ、たまたまです」