ケータイ小説 野いちご

いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

*FIVE*
本当のはじまり




”ガラスぶち破り事件――”


誰かがそう名付けたあの日の出来事のせいで、黒崎くんは1週間の謹慎処分となった。


不謹慎だけど、うれしかった。

学校がちゃんと黒崎くんに処分を下してくれたこと。


それでも、中島先生を救った英雄としてクラス全員から嘆願書が出され、処罰の軽減を求める声が上がった。


火種を作ったメンバーたちが率先して声を掛けたというなんともおかしな話だけど、そんな動きもまたうれしかったりして。


もともと1週間の謹慎は軽いのか結果は変わらなかったけど、その嘆願書は黒崎くんの元へ届けられたみたい。



それから。

黒崎くんのお父さんが学校へ来て頭を下げたらしい……と学校中のウワサになっていた。

頭を下げたのは事実か分からないけど、学校に来たのはあたしも見たからほんと。

理事長が来た!なんて学校中が大騒ぎしてたもん。


黒崎くんのお父さんが黒崎くんのために学校に来てくれた。

自分に無関心だなんて言ってたけど、そんなこと絶対にないよ。

きっと黒崎くんの想いは届いたんだってあたしは信じてる。

これから少しずつ親子の距離を縮めて、黒崎くんの心の傷が癒されていくことを願ってる……。


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