ケータイ小説 野いちご

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いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

*FIVE*
空の青に



【黒崎side】




───バタンッ……!!

勢いよく閉まった鉄の扉。



"黒崎くんが好きなの……っ"


中身をよく知りもしないヤツ"以外"からの初めての告白に、俺は戸惑っていた。


言いたい放題ぶちまけておいて、最後に告白とか不意打ちすぎるだろ。

俺を苛立たせておきながら、好きだとか……。


……なんだったんだよ、今の……。


頭が混乱する。



柏木が消えて行った扉を見つめて思い返すのは、先日の放課後のこと。


あの日は思った以上に取り乱してしまった。

感情のままに、家の恥をさらけ出した上に。

……不覚だった。

柏木に体を預けるなんて……。


俺との関わりがなくなってせいせいしてたんじゃねえの?

もう俺と柏木を繋ぐものなんて何もないはずなのに、家に来たり必要以上に構って。


挙句に、俺を好きだ……?


柏木は、俺の汚い部分も醜い部分も……さらには弱い部分までさらけ出した唯一のヤツ。

なのに、そんな俺のどこが好きだっつんだよ……。


白鳥の浮気は誤解だっただろ?

どうみたって、大事にしてくれそうな白鳥を振って俺が好きだなんて理解出来ねえ。



"迷惑なだけだ"


振るのに慣れている俺は、躊躇いもなくいつものように冷たい言葉を投げかけた。


なのに、なんでこんなに胸ん中がモヤモヤしてんだよ……。


「……っ」


ふと、柏木に体を預けたときの温もりが蘇り、ギュッと目を閉じた。


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