【隼斗side】
同居も四ヶ月を迎え、残すところあと二ヶ月。
最初はどうなることかと思ったけどなんとかここまで来た。
愛咲の前では至って冷静に過ごしているけど、内心はすげぇー緊張して生活している。
だって、目の前に好きな女がいるんだぜ?
しかも、同居って………いや、マジでヤバいんだよな。
毎日のように愛咲がキッチンに立って俺たちが食べる夕食を作ってくれているんだけど
ピンクの花柄のエプロン姿はマジで鼻血モノ。
いや、可愛すぎだろそれ、とツッコミたくなるのを抑えるのにいつも必死。
それに加えて鼻歌を歌いながら慣れた手つきでトントントンッと野菜を切るんどけど、
その姿を見ているとまるで愛咲と結婚したように感じて幸せな気持ちになる。
まあ、そんなのありえねぇんだけど。
『お前は嫌いでも、俺は好き』
無意識に言葉にしてしまっていた気持ちを
ごまかすのは本当に苦労したし、焦った。
でも、愛咲はアホだから
すぐに髪のことだと信じてくれたけどな。