俺が彼女に抱く印象は、"明るくて笑顔が素敵な女性"だった。

藤堂(とうどう)ひかり、24歳。
入社3年目の俺の上司。

髪は暗めの茶髪で、前髪は目にかかるかかからないかの長さ、胸のあたりまでの長さのストレート。
身長は160センチほどで細身。

いつも暖色の服を身につけ、お洒落には気を遣っているようだ。
明るくて常に笑顔で、彼女のまわりにはよく人が集まる。
まさにマドンナ的存在だ。

もちろんそんな彼女を、男が放っておくわけがない。
言い寄る男は数知れず。
あの手この手で彼女を誘うが、二人きりの食事にこぎつけた男はいないらしい。

ガードが固いのか?
確かに固いのは事実だがそうではない。
なぜなら彼女の左手薬指には、ピンクゴールドの指輪がはまっているからだ。

彼女には彼氏がいるらしい。
相手は誰もみたことがないという。

あんなにも綺麗なのだから、彼氏がいないわけがない。
それは当然のことだ。

彼氏がいたとしても、男はお構い無しだ。
俺も彼女に憧れる男の中の一人だ。

今日は白のシャツに黒いパンツ、白のパンプスに薄いピンクのバッグ。
完璧に決まっている。