翌朝。

昨日と同じ時間に起床した私は、急いでポストに向かう。

どうやら昨夜火を消してから両親は1度もストーブを点け直さなかったらしい。

リビングには半乾きの洗濯物が、そのまま干されていた。


玄関の扉を開けると、空からは小さな雪がチラチラと降り注いでいる。


家の前に、レンの姿は無かった。


「あれ? まだ寝てるのかな」

首を傾げながらしばらく待つも、一向に現れる気配が無い。

肩と頭に、少しずつ雪が積もってゆく。

こんな朝早くから、家のチャイムを鳴らすわけにもいかないし。

レン、忘れて寝てるのかな……。

両腕を摩りながらポストの中を覗いてみると、そこにはチラシで分厚くなった新聞紙と共に、水色の封筒が入れられていた。


あった、”死の手紙”だ……!


白い息を吐きながら、その封筒を手に取る。