翌日。

タイマーをいつもより10分早めの6時20分に設定していたにも関わらず、二度寝してしまった私は、40分過ぎにベッドから飛び起きた。


「あ!! 手紙!! 」

ドタバタと階段を降り、リビングにかけてあるコートを手に取るとそのままダッシュでポストへと向かう。

空には鈍色の雲が広がっており、今にも雨が降り出しそうな天気だ。


「遅いぞ、アイ」

柵の向こうには既に、マフラーをぐるぐる巻きにしたレンが立っていた。

「俺が朝練に遅れちまうだろうが」

「ごめんごめんっ! 」

高速で謝りながら、私の手は真っ直ぐにポストに伸びる。

ポストの中には新聞紙と、それから...…

「やっぱり、あった...…」


昨日と同じく、水色の封筒が入れられていた。

しかし、それともう1枚。

昨日には無かった、赤い封筒も無造作に放り込まれている。


「なに、この気持ち悪い色した封筒」