日が落ちるのも早くなった。
気が付けば外はもう夕闇だ。

誰もいなくなった教室でじっと待っていた。
この待ち続ける時間が永遠にも感じる。

廊下から零れる明かりが教室にも差し込んで来るけれど、それが余計に暗くなったことを際立たせている。


自分の席に座り手の上に額を載せる。
激しい鼓動はいつまでたっても収まらない。


「河野が戻ってくるまで、私たちも一緒に待ってるよ」


真里菜と薫がそう言ってくれたけれど、それは断った。

二人の心底心配そうな顔を思い出す。

昼休み、教室を飛び出して行った真里菜が気まずそうに戻って来た。


「真里菜! どうだって? 河野、どういうことだったの?」


私は掴みかかるように真里菜のもとに駆け寄った。


「うん……」


強く見つめる私から顔を逸らし、視線を彷徨わせて薫の方へと助けを求めていた。


「ねえ! いいからちゃんと言って。本当のこと言ってよ!」


私はもう半分泣いてしまいそうで、不安でどうにかなりそうだった。
そんな私に真里菜と薫が顔を見合わせ、諦めたように話し出した。