沖田に連れて来られたのは、誰かの自室だった。

文机に筆、硯が置いてあるだけの質素な部屋だ。

「では、お座り下さい。ここでは笠を取っても大丈夫ですよ」

「・・・」

無言で頷くと、私はずっとかぶったままだった笠をあっさりと外した。

そして、沖田の目の前に座った。

笠を外すと、沖田が好奇心を隠さずに話し出した。