「いちいち言わせんなよ」 ポツリ、と。 長い前髪の隙間に涼しげな目元を隠して呟いた。 わたしは、とびきり嬉しいのに上手く言葉が出てこない。 けれど、染まる想いが答えのような気がするから。 「わたしも、七瀬先輩が大好きです」 わたしの精一杯はこんなものだけれど。 七瀬先輩の前では素直にならなくてはと思った。