ケータイ小説 野いちご

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不透明ヒーロー

騙した恋心





「あのさ」

六限目が終わった頃、隣の席の藤田くんが怪訝そうな顔で私のことを見てきた。


「やっぱりお前らちょっと変じゃないか?」

「え……そう、かな?」

「だっていつも昼休みになったら水野がお前のとこ来るだろ。でも来なかったし、白崎の目腫れてるし、元気ないし。明らかに水野はこっちに近づいてこないし。おかしいだろ」

さすがに中学生の頃から私たちのことを知っている藤田くんには私たちの間の変化に勘付いてしまったみたいだ。

どうやって誤魔化そうかと考えたけれど、藤田くんは知っているんだ。



「何があったんだよ」

だったら言ってしまってもいいのかな。

口角を持ち上げて、少しだけ明るい声を心がける。


「振られちゃったんだ」

「は?」

「恋愛対象には見れないって」

ああもう、また泣きそうになって必死に握りしめる手に力を入れて爪を食い込ませる。

自分で言ってまた傷つくなんて馬鹿みたいだ。






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