ケータイ小説 野いちご

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不透明ヒーロー

恋心の行方
高熱注意報







付き合って一ヶ月目、この日を楽しみにしていたのに……私はなんてタイミングの悪い人間なんだろう。


せっかく今日は千尋と放課後デートをする予定だった。でも、風邪をひいてしまって学校を欠席。つまりは、放課後デートもなくなってしまった。


「うぅ……」

薄っすらと目に涙を浮かべながら呻く。

楽しみにしてたのになぁ。千尋に連絡したら、デートはまた今度でいいじゃんって言っていたけど今日で一ヶ月だから特別だったんだ。そりゃデートは別の日もしたいけど、今日会いたかったなぁ。


悲しみに暮れていると、枕元の携帯電話が振動した。

手を伸ばして画面を確認すると、〝千尋〟の文字。


「ぅえっ!?」

千尋からの電話に驚いて、慌てて通話マークをスライドさせる。


「も、もしもし!」

「文香、具合どう?」

電話越しに聞こえてきた声が嬉しくて頬が緩む。

外にいるのか、歩く音が聞こえてくる。


「うん……まだちょっとだるいかな」

「そっか。なんかほしいものある?今マンションの前だから、ほしいものあったらそこのスーパーで買ってくるよ」

千尋の声があんまりにも優しくて、風邪で弱っているからか涙で視界が滲んでくる。






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