ケータイ小説 野いちご

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不透明ヒーロー

二つの恋心






文化祭一週間前、全員分のクラスTシャツがダンボール箱に入って届いた。

私のクラスは黒で、背中のあたりにはみんなの名前が入っている。


自分の名前よりも先に千尋の名前を見つけてしまうのは、本当長年の癖かもしれない。

みんな届いたTシャツを着たりして、わいわいしているけれど私はそうもしていられない。

急遽クレープのメニューが少ないって話になって増やすことになったけれど、材料の発注もしてしまったし、なるべくお金がかからないようにしないといけない。



「……どうしよう」

「あまりお金かからないようにってなると難しいよね」

同じクレープ作る係の佐田さんと一緒に、携帯電話でクレープの検索をかけながら探す。

こうして探すとたくさん種類はあるけれど、問題はお金だ。


「キャラメル」

「へ?」

前の席に座って、背もたれに肘をついてにっこりと微笑んでくる千尋に釘付けになる。

何気ない仕草にも私はときめいてしまう。






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