あれから1週間がたってしまった。
何度も何度も、椿に連絡しようとした。

でも、出来なかった。


本当は自分の気持ちなんてとっくに気づいてる。


私は椿が好き。


でもそれだけで突き進める程、私は若くない。



違う。



年齢のせいじゃない。



ただ、私に勇気がないだけ。



「はぁー。」


深いため息をつき、こめかみを指でトントンと叩く。



「何か考え事ですか?」


桜田が、コトン。とカフェオレの入ったマグカップを私の机に置いてくれた。



「うーん………」



「藤嶋さん、ですか。」


自分の席につくと桜田は、スマホをいじる。


「んー。どうやら藤嶋さんは、来週にはたっちゃうみたいですね。」



「えっ??1ヶ月後って言ってたのに!っていうかなんで桜田が知ってるの?」



驚いて桜田を見ると、得意げに笑った。


「この前の結婚式でご一緒した藤嶋さんの同僚の方に聞きました。」



さすが肉食女子。彼氏がいても抜かりない。