「本日は、お忙しいところ私達の結婚披露宴にお越しいただき………」


今年に入って2回目の、後輩の結婚式。


また先を越された私。



進藤 都。


29歳。


独身。


彼氏なし。


「みやこせんぱぁーい。二次会行きますよねぇー??」


髪を綺麗にアップして若さを全面に押し出したピンクのミニドレスを着た後輩の桜田(21歳)が重そうに引き出物を持ちながら話しかけてくる。


「んー。どうしようかなぁ。私明日朝から出張なんだよね。」


ネイビーの膝丈のタイトなワンピースにロングの黒髪を、いわゆる夜会巻き。ピタッとまとめた私は、明日の仕事の事を考えて二次会をどうするか迷っている。


明日の事を考えず、お酒をむちゃくちゃに飲める私では無くなってしまったのだ。


29歳。



増えるのは仕事上での立場と責任と後輩。


減るのは体力と男性への興味とトキメキ。


肌だって、カラダだって、


キチンと毎日ケアが必要なのだ。


「私最近、夜遅くにお酒飲むと次の日すごい浮腫むんだよねぇ。」


そうなのだ。

披露宴が終わった時点で夜の9時。


『夜景がすごい綺麗なの。』


って理由で今日は夕方6時から始まるナイトウェディング。



今から二次会なんて、一体何時になるの?