コトッ…と音を立てて置かれたのはシャーベットアイス。


「オレの好物」

「えっ?」


何であんたの?


「コーヒーシャーベットだけど旨いから食え」


また「クエ」か。


ププッと吹き出しそうになりながら添えられてあるスプーンを握る。


「それ…」

「ん?」


手に持ったまま顔を上げた。


「あんたのその仕草、つーか、マナーがキレイだ」

「えっ!?」

「この間も同じこと思った」


おー寒ぅ…と言いながら照れている。


「バカなんじゃない?」


呆れつつもシャーベットを噛んだ。


「冷たっ!でも、イイ味!」

「だろ?」

「これ、絶対にバニラアイスと合うと思う!」

「乗せるか?」

「あるの?」

「あるとも!」

意気揚々と厨房に戻った男は、市販のアイスカップを手に戻ってきた。


「それは?」

「オレのおやつ」


子供みたいだと言いたくなるのをやめてシャーベットの入った器を差し出す。


「全部乗せて」

「冗談!やだよ!」


ケチ…と呟きながら乗せてもらったアイスをシャーベットと一緒に食べた。


「うん。美味しいっ!」


甘い物は別腹って実感。


「あのね……」


シャリシャリと音を立てながらコーヒーシャーベットとバニラアイスクリームを混ぜる。


「さっきの答えだけど、私と貴方って、この二つのモノのような気がするの」