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梅雨が明けた、6月下旬。

教室の窓から見える嘘みたいに晴れた青空を、頬杖をつきながら眺める。


もう夏休み間近、明後日には始業式だ。

一護とはここ3日ほど会話をしていない。
理由は……。


「次の数学の先生、小テストするらしいよ」

「へぇ、紗枝俺にちゃんと教えろよ?」

「ふふっ、もちろん!」


私の後ろの席で、紗枝と一護が楽しそうに話をしている。私は、紗枝と席を換わって、紗枝の前の席になったからだ。


全ては、自分の気持ちに整理をつけるため…。

物理的な距離が遠くなれば、いつかは消えてくれる、そう思った。


「そうだよ、これで良かったんだ……」


ギュッと、机の上に置いた拳を握りしめる。


離れて、関わらない方が、きっと考えずに済む。
それに、その方が踏ん切りがつくかもしれないから…。