入学式。


ざわざわする周りの生徒とその保護者達。
その中で、あたしは一人だけ静かに俯いていた。


やっぱり、変じゃないかな…この髪型。
あたしは不安げに、軽く巻いた髪を触った。

この目も…おかしくないかな。

人生で初めてコンタクトレンズを入れた目をぱちぱちさせながら、あたしは不安になっていた。


新田レイ(ニッタ レイ)、それがあたしの名前だ。
この空峰(ソラミネ)高等学校の新入生だ。

あたしが、家から電車とバス経由で約二時間もかかるこの学校にわざわざ入学したのは、自分を変えるためだ。


あたしは中学時代、地味で暗くて、いわゆる“スクールカースト”において、最下位の位置にいた。

そんな私は、スクールカースト上位の女子グループからいじめられていた。