ある日の朝。


「は?」


誰もいない下足場で、あたしは顔を歪ませた。



靴箱の中には、紙クズが入れられていた。

決して、あたしのファンからのファンレターや、あたしに好意を寄せる男子からのラブレターを、紙クズ扱いにしているわけではない。


本当に、紙クズ。


自分でも、入れた覚えがない。


それに、うちの学校の靴箱には暗証番号を入れる鍵がついており、正しい暗証番号を入れないと、靴箱は開かない仕組みになっている。


誰かが、あたしが靴箱を開けたときに入れた暗証番号を盗み見でもして、あたしの暗証番号を知ったのだろう。

そして、このあたしの靴箱に、紙クズを入れやがった。


「チッ……誰よっ………!」