ケータイ小説 野いちご

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シンデレラにはなれなくて。

I.日常




自分の名前が好きかと聞かれれば、私は"嫌い"だと即答する。

高野 結愛《タカノ ユア》

私はそんな自分の名前が大嫌いだ。


愛なんて存在しない、そう思うから。

私の名前についている"愛"がとっても嫌い。


そして、同じくらいこの街も、今私がいる場所も嫌い。

早くこの場所から出ていくのが私の目指すところ。


だから今は、この憂鬱な毎日も我慢しなければならない。この日常にも。


「高野さん、おはよ」

「おはよう」

顔は覚えているけれど名前は知らないクラスメイトににこりと微笑み挨拶する。

この高校に入って三年経つが、ひとりの名前も覚えていない気がする。


これが私。

高嶺の花、冷静沈着、住む世界がどこか違う、だけど気さくで話しかけやすい、そんなキャラを作っている。



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