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天国のお父さん、お母さん。

お久しぶりです。全然来られなくてごめんなさい。



実は大昔にタイムスリップしていて来られませんでした、なんて言ったら二人はどんな顔をするかな?

きっと、ニコニコ笑顔を浮かべて話を聞いてくれるんだろうな。

お母さんなら「それは大変だったわねぇ」なんて呑気に言って、私の大好きなうどんを作ってくれたりするかもね。



でも、私がこうして二人が眠るここに来るのは今日が最後です。

私にも、どうしても居たいと思える場所が見つかりました。


そりゃあ、ここに比べたら不便なことだらけだし、簡単に生きていけるような場所じゃないかもしれない。

だけどそれ以上に、暖かくて素敵な人たちがいる、私にとっては魅力的な所なんだ。



きっと二人が生きていたなら、心配して止めるだろうね。

でも、お父さんは私に甘いからきっと最後に折れてくれるだろうな。

お母さんは……「最後の晩餐だ」とか訳の分からないこと言ってご馳走とか作りそう。



何はともあれ、私はどこに居たって元気でいるから心配しないで。

親不孝な娘でごめんね。