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「アッサムのミルクティーとスコーンあんずジャム付きで。……お美弥ちゃんは何にします?」


「ああ…えっとじゃあ、同じもので」



お琴ちゃんと私の注文を聞いた、前髪が長めの女性店員さんは、「かしこまりました」と微笑んで立ち去る。

慣れないオシャレな喫茶店の雰囲気に飲まれ、思わず同じものでと言ったものの、やっぱりリンゴジャムにしたらよかったと少し後悔。



…というか、いったいこの状況何なんだろう?



私は改めて目の前にいる女の子を見る。


神社で私を呼び止めたお琴ちゃんは、ここではなんだからカフェにでも入ろうと言って、少し離れたこの喫茶店に連れて来たのだ。


どうしてお琴ちゃんがここにいるのか、とか聞きたいことは山ほどあったけど、聞くに聞けずここまで付いてきてしまった。



「わたしの顔に何か付いてますか?そんなに見つめられると少し照れちゃいます」



視線に気づいたお琴ちゃんが冗談っぽく言う。

少し見すぎたかもしれない。