***
…あー、本当にどこにやっちゃったんだろう?
壱佑さんが戻って来た次の日。
この日、私は朝からテンションがだだ下がりだった。
難しい顔の私に、太一くんが声をかけてくる。
「さっきから何探してるんだ?」
「あ、太一くん。私の簪、見なかった?」
そ雅春さんからもらった、あの薄緑色のガラス玉がついた簪。
朝、いつものように髪を結おうとして、手元にないことに気がついたのだ。
「見てねぇな…」
「そっか……」
気に入ってるし、無くしたなんて雅春さんに申し訳なさすぎる。
ため息をつきながら、私は店の前の掃除を始めた。
箒で軽く掃いて、暑さ対策に柄杓で水を撒く。
私は、水を撒きながら、少しぼんやりしていたらしい。
バシャりと勢いよく柄杓を振る。すると
「うわ」
…あー、本当にどこにやっちゃったんだろう?
壱佑さんが戻って来た次の日。
この日、私は朝からテンションがだだ下がりだった。
難しい顔の私に、太一くんが声をかけてくる。
「さっきから何探してるんだ?」
「あ、太一くん。私の簪、見なかった?」
そ雅春さんからもらった、あの薄緑色のガラス玉がついた簪。
朝、いつものように髪を結おうとして、手元にないことに気がついたのだ。
「見てねぇな…」
「そっか……」
気に入ってるし、無くしたなんて雅春さんに申し訳なさすぎる。
ため息をつきながら、私は店の前の掃除を始めた。
箒で軽く掃いて、暑さ対策に柄杓で水を撒く。
私は、水を撒きながら、少しぼんやりしていたらしい。
バシャりと勢いよく柄杓を振る。すると
「うわ」