翌日、司はいつも通りに会社に行った。

玄関のドアが閉まる音が、今日はいつもより大きく響い気がした。



やっぱり会社に行っちゃうんだ…。

側についててはくれないんだね。

あたしよりも、お腹の赤ちゃんよりも、会社の女が大事なの?


あたしと赤ちゃんはどうすればいいの?



1人でタクシーに乗り病院へ行く。

看護婦さんに案内され、分娩を待つまでの部屋に通される。
4つのベッドが置いてあり、2つのベッドにはカーテンが掛けられている。


看護婦さんに着替えと薬を渡される。



他の2つのベッドには旦那さんが付き添っているらしく、時折、奥さんを励ますような優しい言葉が聞こえてくる。