「んっ…。…ここは…?」


重たい目を開くと、白色の天井が目に入った。


独特な匂い。


…ここは病院?


「っ!星南!良かった!目が覚めたのね?!」


「星南っ!…無事で良かったっ」


安心したと涙を流しながら〝星南〟と呼ぶ人たち。


ねぇ、この人たちは誰なの?


私は…。


なんでっ?


思い出せないっ。


私は誰なのっ?!






「星南?…先生ー!妹の様子が!!」


頭が…痛いっ。


ズキズキするこの痛みは…なんなのっ??


男の人の呼び声に、白衣をきたおじいさんが入ってきた。


「目が覚めてすぐで申しわけないが、いくつか質問するがよいね?」


頭痛が治まってきたころ、おじいさんにそう聞かれ、静かに頷いた。