人生は甘くない。


それを知るにはきっと遅すぎた、25の冬。


「……お腹すいたぁ…」


もうジュースの残っていないパックジュースのストローをちびちび噛んで、そんな声を漏らす。


私、佐原葉月は、人生の逆境に立っていた。


お腹を満たす食料もなければ、

家も、職も、

私にはない。


泣いたってどうにかなるわけではないことくらい、分かっているから泣かないつもりだった。


だけど自然と目ににじむそれをどうすることもできない。
私って、ほんとだめだ。