「失礼しますー。」


麻尋は、保健室のドアを開けた。

でも、中には誰もいなくて。鈴菜の車イスだけが残っている。


ゆっくりと中に入ると、クーラーの涼しい風が肌に当たる。


「あっ、麻尋ちゃん~。」


振り返ると、松葉づえの鈴菜と朝陽の姿。