空から放たれる

眩しい光を浴びながら

音春は眠たい目をこすらせる。

「ふぁーあー。」

ふわふわしている布団を

足でのけて、

大きな欠伸を一つする。

「・・・あ。

そういえば私

今日からここに。」

「そうでございますよ。

音春お嬢様。

おはようございます。」

真っ白な毛並みの鳥が目の前にいた。


「・・・だ、だれ!?

と、鳥がしゃ、喋ってる!?」


音春はその場をそそくさと離れる。

「・・・失礼いたしました。

自己紹介が遅れました。

私、今日1日だけ、李斗様の命令で

音春お嬢様の

お世話をさせていただきます。

九官鳥の夜耶(やや)と申します。

御用がある時はなんなりと呼んでください」

ぺこりと頭を下げて

元あったゲージへと戻っていく。

「よ、よよよよよ、よろしくお願いします。

夜耶・・・さん。」

「夜耶でかまいませんよ。

敬語ではなくても大丈夫ですよ。

音春お嬢様。」


(お嬢様・・・か。なんかいい気分。

ふふ。初めてだな。)

心の底で喜ぶ音春の鞄からは携帯の着信が何回も鳴り響く。


音春がその電話に気づくことは無く、喋る鳥に話しかける。