数学の小テスト。
前回の中間テストで平均点以下をとった人は、このテストを受けなければいけない。
有希はちょうど、その小テストを受け終わったところだった。


その場で採点され、返って来たのはペケだらけの自分の解答用紙。
先生の丸付けのミスがないか、何度も見直した。


「田中さん、何度見ても一緒でしょ?」

クスリと苦笑いする女性教師。
この教師は3年の数学担当教師だ。
そして有希の大嫌いな教師でもある。


「そうですね」


有希は自分でも判るくらい、そっけなく返事をした。すると女性教師はつまらない。とゆうような顔をして有希の側から離れて行った。


気分が悪い。
心臓の辺りが締め付けられるように痛い。

有希は1人、静かなところに移動することにした。